硬いだけでは硬質アルマイト皮膜は、接触面の圧力が高くて細かい振動や摩擦が起こる場所に使用すると、カジリや焼き付きが発生してしまい、実用上問題があります。
この問題が硬質アルマイト皮膜に潤滑性を与えることによって解決できるのでは?・・・ということで考えられた処理がカシマコート処理です。
カシマコートは(株)ミヤキが研究開発した、硬質アルマイトに潤滑機能をもたせ、耐磨耗性の向上を目的にした潤滑アルマイトです。
前もって生成させたアルマイト(陽極酸化)皮膜の規則的に並んであいている無数の孔の中に、潤滑性物質である二硫化モリブデンを封入すします。アルマイトの微細孔の底からモリブデンが溜まっていき、孔を埋めていきます。

右図のような「硬い+潤滑」の繰り返しが1

あたりに約数十億〜700個あります。そのことにより、カシマコートは耐磨耗性を硬質アルマイトに比べ著しく向上させています。
二硫化モリブデンは、固体で潤滑性のある物質です。
「モリブデン」というと、エンジンの潤滑用添加剤などがそうです。
従来、アルマイトの潤滑化としては、テフロン、グラファイト、二硫化モリブデン、二硫化タングステンといった小さくてもせいぜい0.3

u程度の粒径のものを有機バインダー等で塗布・焼付する方法でしたが、粒径とアルマイト孔径の差異からアルマイトの微細孔内に含浸することができませんでした。
しかし、カシマコートは、基底部から膜厚分だけモリブデンを含浸させています。
二硫化モリブデンをマイナスイオン化したテトラチオモリブデン酸アンモニウムを二次陽極電解するとマイナスとプラスの反応により基底部よりモリブデンが詰まっていきます。