アルマイト基礎知識

アルマイト(陽極酸化処理)とは、
アルミニウム陽極(プラス極)
電解処理
して
人工的に酸化皮膜(アルミの酸化物)を生成させる
アルミニウムへの表面処理のことです。

アルミニウムは酸素と結びつきやすく、空気に触れていると非常に薄い酸化皮膜を作ります。
この自然に作られる皮膜で保護されているので一般的に錆びにくい、
いわゆる耐食性が良いと言われています。
しかしこの皮膜は非常に薄いので、環境によっては化学反応で腐食してしまいます。
そのため表面を保護する表面処理「アルマイト」が必要となります。

なぜ、アルマイトをするのか?

アルミニウムの特徴として軽い(比重:鉄の約1/3)という点がありますが、その反面柔らかく傷が付きやすいという特徴もあります。
製品等で使用するとなった際、そのままでは腐食や傷・摩耗の懸念がある為、腐食に強く、表面を硬くする必要があるのです。

Basic structure

基本構造

アルマイトの処理方法
  • アルミ製品を取り付けた治具を、電解液(硫酸または蓚酸)の中に入れます。
  • 治具に電極を繋ぎ、プラスの電気を流す。
    また同時に陰極に同様に電気を流します。
  • 電気分解により、アルミニウムの表面に酸化皮膜(アルミの酸化物)が付きます。
アルマイトの皮膜構造

孔(ポアー)とは酸化皮膜の穴の事を言い、その大きさは1つ10~30nm(ナノメートル)。
その数は、なんと1cm²の中に数十億~700億個あると言われています。地球の人口が1cm²の中に軽々入ってしまう程の数です。

アルマイト(陽極酸化処理)の基本構造は鉛筆の束!?

アルミに電流を流す事で、表面の微小凸凹部が溶解(浸透)+同時に酸化皮膜が成長し、時間の経過と共にセルと呼ばれる立体構造を形成します。
基本構造は六角形の鉛筆を束ねたものがアルミ地からニョキニョキと生えていると思ってもらえばわかりやすいかもしれません。

  • アルミニウムは活性な金属の為、空気中で自然に20nm程度の酸化皮膜が出来ています。
  • 電解液中でアルミニウムが酸化され、酸化皮膜が成長する。
  • 皮膜表面の凹部に、より高い電解が発生する為硫酸イオンがその部分に入り込み局部的に皮膜が硫酸アルミとなって溶出し、表面に無数の孔があきます。
  • 孔の底では、酸化反応と皮膜の溶出反応とが同時に進行し、孔が規則正しくのびた構造になります。
  • 皮膜の厚さは、電解時間に比例します。

Comparison of Anodized and Plated

アルマイトと皮膜

“アルマイト”と“メッキ”は、全く違うものです

金属の表面加工ということでひと括りにされている場合もある陽極酸化処理とメッキは、実は全く違うものです。

陽極酸化処理はアルミの表面(標準の面)から上に成長皮膜、下に浸透皮膜というように上下に成長しています。
一律に成長するので、元のアルミ表面が凸凹だった場合凸凹のままアルマイトがかかります。
表面を塗装のように平らにならす効果はありません。

また、一度硬質アルマイトをかけたものを再アルマイトする場合、肉痩せしてしまいます。
それは、この浸透皮膜を化学的にいったん全て落とす必要があるからです。
一方、メッキの方は被メッキ物上に順番に他の金属を乗せていくので全く別の理屈でできているといえます。

アルマイト皮膜の成長
エッジ部の望ましい形状
隅・角部の皮膜の付き方

寸法の変化

内径に皮膜をつけた場合
外形に皮膜をつけた場合

アルマイト処理後の寸法変化について加工狙い値自動換算

①~③を入力頂ければ、加工狙い値(理論値)が表示されます。

外径(軸)
下限 上限 処理膜厚
膜厚
図面寸法
加工狙い値 φ0.0000 φ0.0000
内径(孔)
下限 上限 処理膜厚
膜厚
処理後寸法
加工狙い値 φ0.0000 φ0.0000
  • 数字は半角英数で入力下さい
  • 外形図面寸法の下限・上限と内径処理後寸法の下限・上限はミリメートル(mm)でご記入下さい。
  • ご記入頂いた数字は少数第三位まで表示され、少数第四位の値は四捨五入します。
  • 処理膜厚はミクロン(μ)でご記入下さい。
  • 単位は自動で挿入されます。

Original Functions

当社が作るアルマイトの独自技術

アルマイトに機能性を付加させる場合は、電解液に流れる電流や時間、硫酸の濃度や温度など様々な要因をコントロールする必要があります。
少しのズレでも希望通りの機能を付与させることが出来ません。
当社では長年の経験から得たノウハウと、徹底管理された製造体制により、思い通りの機能を実現します。

電解液の温度や濃度、電流の強さや処理を施す時間など、さまざまな要素の調整や組み合わせで、膜厚や硬度、皮膜の質をコントロールしている。

アルマイト処理により付与できる効果

  • 耐摩耗性
  • 摺動性
  • 耐⾷性
  • 耐久性
  • 塗装密着性
  • 放熱性
  • 耐電性
  • 意匠性

Products & Service

製品とサービス

カシマコート

摺動部位に最適 耐摩耗性に優れた
硬質潤滑アルマイト

MDプロセス

様々な腐食から製品を守る アルミダイキャスト向け
耐食性アルマイト

シュウ酸アルマイト

加工後の面粗度をそのままに 高い耐熱性と耐食性
美しい表面処理を実現

カシマコート”ブラック”

漆黒の鎧を纏う 潤滑特性はそのままに
カシマコートの独特なカラーを黒色化

硬質アルマイト

ミヤキのスタンダードアルマイト 普通アルマイトよりも
より強固な皮膜を生成

アルマイトとは

アルマイトの基礎知識 処理方法~皮膜構造を
グラフィックを用いて解説

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