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アルミニウムについて
Al アルミニウム
元素番号13番

金属は、そのままでは柔らかく、傷つきやすいデリケートなシロモノだ
まず、金属の持つ特性を思い出してください。金属は硬く、曲がらず、削れず、錆びない、そんな未来永劫不安の存在ではなかったでしょうか。
一円玉に表面処理がされていれば、こんなことにならなかったはず。
一円玉、正確には造幣局が製造した「一円玉アルミニウム貨幣」は純アルミニウム製。直径20mmのこの硬貨をじっくり観察すると表面はキズだらけでへこみ、削れが必ず見られます。また表面の白っぽく粉を吹いたような部分は酸化アルミニウム、俗に言うサビです。もし一円玉が表面処理されていたらいつまでも白くピカピカと輝いていてキズも付かないでしょう。
注※貨幣に表面処理などの加工を施すと法律で罰せられます。
鉄のように硬い、とか鉄人、なんて表現があるように、
金属といえば硬く、強く、削れたり変形したりしないというものと私たちはついつい思い込んでしまいます。
考えて見てください。アルミホイルは何でできていますか?冷凍なべ焼きうどんの鍋は?それらはリッパな金属のクセに柔らかく、カタチが変わり、そして切ったりちぎったり出来ます。さらに金属は燃えます。コンロの火が強すぎればアルミホイルは燃えてしまいます。大気中でゆっくり酸素と金属がくっつけばそれは酸化、大ざっぱに言うところのサビです。金属は実は柔らかくて傷つきやすく、変化しやすいデリケートなものなのです。


金属には様々な弱点がある
●磨耗する
金属同士、または相手が柔らかい場合でもこすれ合うことで減り削れてしまう。削れればパーツの場合はガタが出たり、動作が不安定になるなどの影響がでてくる。大きく削れるだけでなくフレッチングといって細かい振動でも磨耗は進んでしまう。
●腐食する
金属が周りの環境(空気、水、薬品など)によって電気的化学的に侵食されること。見た目が悪くなるのはもちろん、腐食が進めば強度や耐久性に影響が出る。一般にサビというが正確には鉄系の金属のみに使い、アルミなど非鉄金属には本来使わない。
●色みがない
こちらは外観上の問題。かつて中国には金(こがね)、銀(しろがね)、銅(あかがね)、鉄(くろがね)、錫または鉛(あおがね)で”五色の金(かね)”という言葉あったくらい、金属は色味が決まっているのだ。これはアルミ、チタンなどでも同じである。



身近にある金属製品をみると表面処理の目的がよくわかる
私たちの身の回りには金属でできたモノが溢れていて、それらのほとんどは、表面に何らかの処理が施されていることに気がつきます。たとえばクルマのボディの多くは鉄(正確には鋼)でできており、ボディパネルの上から塗装が施されています。これで錆びることを防いでいるわけで、塗装もリッパな表面処理の一つと言えます。

金属を使う以上は、どんなモノでも腐食します、すり減る、色がない、潤滑性がないといった弱点からは避けられません。それらを克服するために世界中でたくさんの処理技術が発明されており、今も続々と新しい方法が生み出されています。
基本的な、日ごろ使っている日用品を眺めてみるのも面白いです。次のそれぞれ特徴的な表面処理、コーティングが施されたアイテムたちを見れば、表面処理とは金属の欠点を補完する行為であることが分かります。




日常にあるものは表面処理のショーケースだ

フライパン
フライパン●耐熱耐腐食
アルミニウム合金で出来たフライパンの外側は塗装されている。これはコンロの火や電磁調理器などの熱からアルミを守り、腐食を防止するためと、キッチン用品としての見た目を考えてのこと。ちなみに塗装は多くの場合耐熱性から焼き付け塗装となっている。

●焼き付き防止
フライパンの内側はフッ素樹脂(「テフロン」は米デュポン社の登録商標)加工。強度、強アルカリに耐え、水や油を弾き、物質とくっつきにくいという性質を持つため、コゲてもこびりつかないのだ。なお原爆製造時のウラン濃縮工程ではじめて実用化されたというのは有名な話。

●耐腐食
フライパンの裏側、コンロと当たる部分はメーカーによって違いの出る部分。側板と同じ塗装をしている場合と陽極酸化処理をしている場合、削ってアルミをむき出しにしている場合がある。後者の場合は熱の伝わり方のロスを減らすためだろう。

飲料缶

飲料缶
●耐腐食
酸の強いオレンジ果汁などでアルミが腐食しないように清涼飲料水の缶は樹脂コーティングがされるのはリサイクル時の簡便さを考えてのこと。余談ながら胴と上下フタでは使われているアルミ品番が異なっている。


オーディオオーディオ
●美観
デンマークのオーディオブランド、B&Oのベオサウンド1。
スピーカーグリルはアルミ製で陽極酸化処理(アルマイト)によって色鮮やかに着色され、他にはないスタイリッシュな表現を見せる。表面処理は金属の着色も重要な目的だ。


【アルミニウムと鉄と銅の比較】
元素名 アルミニウム (Al) 鉄 (Fe) 銅 (Cu )
軽さ 比重2.7 比重7.9 比重4.5
長所 弾性が少なく軽い、柔らかい 剛性が強く丈夫で重い、弾性もある 1.熱伝導性が良い
2.低温に強い
3.電気伝導性が良い
4.非磁性体である
5.抗菌効果がある
融点(℃) 660.4
1535 1084.5
密度/硬度 2700 kg/m3, 2.75 7874 kg/m3, 4.0 8920 kg/m3, 3.0
熱伝導度 237 W/(m*K)
80.2 W/(m*K) 401 W/(m*K)
電気伝導度
(W・m-1・K-1 )
37.7 106/m 9.93 106/m 59.6 106/m
耐食性 錆びやすい(ステンレスを除く)
錆びやすさは普通
(変色や緑青がある)
錆びにくい
非磁性 影響されない 影響される 影響されない
加工性 弾性が少ないので曲げるとひびが入りやすい。
柔らかいし切断しやすい。
弾性があるので薄ければ曲げやすい。
密度があるため切削は大変である。アルミや真鍮の2〜3倍の時間を要する。
弾性があるので曲げにも適している。切削もしやすい。
代表的な利用 1円硬貨
アルミホイル
アルミ缶
鍋、やかん
建具(窓サッシ、ドアなど)
鉄道車両(車体、吊り金具など)
自動車(ホンダNSX、プリンスR380など)
オートバイのフレーム
テルミット溶接の還元剤
鋼材、缶、工業製品、家庭用品、装飾品など
赤血球の中に含まれるヘモグロビン
電線や基盤の配線
エアコンや冷蔵庫、建築内装材など
冷凍用機器
電線・ケーブルの材料
靴下、靴の中敷きなど
絨毯、マットなど
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