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アルミニウムの特性
ジュースの缶から航空機の部品までさまざまな所に使われているアルミですが、そのアルミにはいろいろな種類があり、特徴や用途に応じて使い分けられています。


アルミニウム合金のうち純度99.0%以上のものを純アルミニウムと呼び、また種々の元素を添加して合金としたものをアルミ合金と呼んでいます。
いずれも純アルミニウムにない特性が付加され、さまざまな分野で活用されています。材料へのニーズが多様化し、いっそう高度になる今日では、アルミニウムもまた従来よく知られている特性にとどまらず、新たな機能を付加して、先端分野へ着実に展開しています。


軽い
アルミニウムは軽量な金属です。アルミニウムの比重は2.7。鉄(7.8)や銅(8.9) と比べると約3分の1です。
軽量化による性能向上が時代のニーズとなっているいま、とくに自動車、鉄道車両、航空機、船舶コンテナなどの輸送分野 で多くのアルミニウムが使われています。 また、軽さを生かして、各種機械の高速回転部品 や摺動部品の作動効率を高めたり、装置の大型化による重量増加を抑えるなど、さまざまな効果を もたらしています。
強い
アルミニウムは比強度(単位重量あたりの強度) が大きいため、精密機械や建築物などの構造材料として多く使用されています。純アルミニウムの 引張強さはあまり大きくありませんが、これにマ グネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛など添加して合金にしたり、圧延などの加工や、熱処理を施したりして強度を高くすることができます。最近では、リチウムを添加した低密度、高剛性の合金が開発され、航空機や大型構造物用の材料と して注目されています。

耐食性がよい (錆びにくい)
アルミニウムは空気中では、自然にち密で安定な酸化皮膜を生成し、この皮膜が腐食を防止します。耐食性と強度を兼ね備えたアルミ合金は各種の用途に採用されており、とくに建築、自動車、船舶、海洋開発などの分野ではこの特性が大い に生かされています。
加工性がよい
アルミニウムは塑性加工がしやすく、さまざまな形状に 成形することが可能です。 たとえば、紙のように薄い箔や、複雑な形状の押出形材 を容易に製造することができることから、きわめて広い 用途で使用されています。 また、できあがった製品素材をさらに成形加工したり、 製品の表面などに精密加工を施したりすることも比較的容易です。 また切削加工性にもすぐれており、金型などの工具類や機械部品にも使われています。
電気をよく通す
アルミニウムは導電体としてきわめて経済 的な金属です。電気伝導率は銅の約60%で すが、比重が約3分の1であり、そのため同じ重さの銅に比べて2倍もの電流を通すこと ができます。 現在では高電圧の送電線の約99%に採用されるとともに、導体(板・管)などに広く使われており、エレクトロニクス分野での 需要も大きく伸びてきています。
磁気を帯びない
アルミニウムは非磁性体で、磁場に影響されません。 この特長は、アルミニウムの他の特性である、軽い、耐食性に優れている、加工性がよい、などと組み合わせることによって、さまざまな製品に生かされています。おもな製品としては、パラボラアンテナ、船の磁気コ ンパスなどの計測機器、電子医療機器、メカトロニクス機器などがあげられますが、さらにはリニアモーターカーや超電導関連機器にいたるまで、その用途が大きく広がっています。

熱をよく伝える
アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍。熱をよく伝えるということは急速に冷えるという性質にもなります。そのため、冷暖房装置、エンジン部品、各種の熱交換器、ソーラーコレクター、また、飲料缶などにもこの特性が生かされています。最近の高密度化した機器、システムの過熱防止のための放熱フィンやヒートシンクとしても使われています。また、この性質を利用して、プラスチックやゴムの成形用金型などの新分野にもアルミニウムが使われます。
低温に強い
アルミニウムは液体窒素(-196℃)や液体酸素(-183℃)の極低温下でも脆性破壊がなく靭性が大きいのが特長です。低温プラントやLNG(-162℃)のタンク材として使われているうえ、最近では宇宙開発やバイオテクノロジー、極低温の超電導関連といった最先端分野でもこの特性が脚光を浴びています。
光や熱を反射する
よく磨いたアルミニウムは、赤外線や紫外線などの光線、ラジオやレーダから発する電磁波、さらに各種熱線をよく反射します。純度の高いアルミニウムほどこの性質は優れており、純度99.8%以上のアルミニウムは放射エネルギーの90%以上を反射します。この特性を生かしたのが暖房器の反射板、照明器具、および宇宙服などで、最近ではアルミニウムに鏡面加工を施してこの特性をいっそう高め、ポリゴンミラーをはじめとした光エレクトロニクス製品にもよく使われています。
毒性がない
アルミニウムは、無害・無臭で衛生的。万一なんらかの化学作用で金属が溶出したり化合物をつくったとしても、重金属のように人体を害したり土壌をいためたりしません。この特性を生かして、食品や医薬品の包装、飲料缶、医療機器および家庭用器物などで広く使用されています。
美しい
アルミニウムは素地のままでも美しい金属ですが、陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)などさまざまな表面処理を施すことによってより美しくなり、また、表面を硬くしたり、防食効果を高めたりすることができます。陽極酸化皮膜処理の際に自然発色や電解着色などによってアルミニウムに多彩な色をつけることも可能であり、建築外装や包装材などデザイン性が強く求められる分野に最適の材料です。
鋳造しやすい
アルミニウムは融点が低い、溶けた状態でも表面が酸化皮膜で覆われガスを吸収しにくい、湯流れがよいといった性質をもっています。このため、薄肉の鋳物や、複雑な形状の鋳物をつくることができます。アルミ鋳造品はピストン、シリンダーブロック、ホイールなどの自動車部品、また各種産業機械部品など幅広い分野で使用されています。
接合しやすい
溶接、ろう付け、はんだ付け、電気抵抗溶接、リベット接合、接着など、さまざまな方法で容易に信頼性の高い継手が得られます。これらの接合技術の進歩はめざましく、より多くの分野で設計と施工の合理化を実現します。
真空特性がよい
アルミニウムを真空装置の材料に使ったとき、金属自体からのガス放出率が非常に小さく真空到達性能が他の材料に比べてたいへんすぐれています。そこで、各種の高真空ポンプや配管、高真空半導体装置、理化学実験装置などに活用されています。
 
再生しやすい
アルミニウムは他の金属と比べると酸化しにくく、融点が低いため、使用済みのアルミ製品を溶かして、簡単に再生することができます。しかも再生地金をつくるのに必要なエネルギーは、新地金をつくる場合と比べてわずか3%ですみ、品質的にも、新地金とほとんど変わらないものが製造できるため、たいへん経済的な材料だといえます。
とくに飲料缶では、空き缶を回収し再資源化しようというリサイクル運動が全国各地で行われており、省資源・省エネルギーに貢献するとともに、地球環境保護、ゴミ減量化の推進にも大きな役割を担っています。
このことは、限りある資源の有効な利用に役立っています。

(出典:(社)日本アルミニウム協会ホームページ)




【アルミニウム合金の種類と特徴・用途】

JIS規格 合金の種類 種類と用途
1000 純アルミニウム 強度は低いが加工性、耐食性、溶接性、電気・熱の伝導性に優れ、
反射板、装飾品、容器、電気器具などに用いられる。
2000 Al−Cu系
アルミと銅
強度や切削性がよく、航空機、輸送機器、機械部品、構造材に適するが、
厳しい腐蝕環境下での使用には不向き。
3000 Al−Mn系
アルミとマンガン
耐食性はそのままで、強度が増強され、加工性は少し劣るが、純アルミと
大差ない。器物、建材、容器など広い用途がある。
4000 Al−Si系
アルミとケイ素
鍛造ピストンや建材用パネル、溶接用心線に用いられるが。
融点が低いためろう材としても用いられる。
5000 Al−Mg系
アルミとマグネシウム
低マグネシウム材は研磨によって高い光輝性を持ち、装飾材などに。
高マグネ材は缶蓋や構造材として使用される。
海水や汚染に強く、船舶材にも使われる。
6000 Al−Mg−Si系
アルミ
マグネシウム
ケイ素
6061は銅を微量添加したもので各種構造材に使用、耐食性も良い。
また、6063は強度は落ちるが押出性が良く、建材関係に多く用いられる。
7000 Al−Zn−Mg系
アルミ
亜鉛
マグネシウム
7075は超々ジェラルミンと呼ばれ、アルミニウム合金の中で最高の強度で、航空機やスポーツ用具に使われる。
  鋳物用合金 砂型、金型、ダイカスト用があり、次の2つに大別される。
Al−Si系  鋳込む時の流動性が良い。(ADC12など)
Al−Mg系 耐食性が良い。(AC7A、Bなど)


アルミニウム合金は、最終製品のいろいろな要求や用途に必要な性質によって、2種に大別します。

展伸材用合金
板、箔、管、棒、線、リベット材及び形材に使われる展伸加工性に優れた合金で鍛造品もこれに含まれます。

鋳物用合金
砂型、シェル型、金型、ダイカストなどの各種の鋳物に使われる鋳造性に優れた合金です。

非熱処理合金
圧延など主に冷間加工と添加元素の効果によって強度を高めることができる合金です。

熱処理合金
溶体化(焼入れ)や時効(焼もどし:添加元素による微細な金属間化合物の析出によって材料の強さ、硬さなどが加熱とその時間の経過で向上する)などの熱処理で、より高い強度が得られる合金をいいます。
ただし、熱処理合金も熱処理のあとで、強度を高めるために冷間加工を加えることがあり、非熱処理合金でも加工ひずみを除去する焼鈍や安定化処理と呼ぶような広義の熱処理を行ったりします。

アルマイトとは、このようなアルミニウムに施す処理です。
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